【月経痛の症例】を経絡治療学会徳島部会の会長が解説します。

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昨日は経絡治療学会徳島部会の定例会がありました。

いつもなのですが、大阪、広島、香川などから講習会を受けに来ていただいています。

以前までは熊本や東京からも来ていただいていました。

今回は沖縄の方が来られていましたね。

お疲れ様でした。

勉強になりましたでしょうか?

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さて私も講義を行ったわけですが、その講義の内容が良かったんじゃないかと自分で自分を褒めたいほどだったので、今回に限りどんなことをしたのか公開したいと思います。

毎回いろいろなことをして講義を受けていただける方に満足してもらえる内容を考えています。

今回は本を見てよい症例があればそれを抜き出して経絡治療的な考えで解説していきました。

今回の本は、【鍼灸治療室第1集】 医道の日本社 P34 池田多喜男先生の症例で【月経痛】です。

それでは解説していきます(^^)

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村〇要〇 29才 
2人目の子供さんが出来て半年くらいしてから月水が始まるまで下腹痛があり、またいつまでも月水がすっきりしないので来院した。

望診:やつれて面青白く尺膚痩せている。かさかさしている。

聞診:暒ぐさい、細い声

問診:月水が始まると同時に下腹に鈍痛、腰部に冷える様な重いような鈍い痛みあり、側頭痛、頭重、肩こり、下肢冷えてイライラする、経水は色淡く少ないのといつまでも少しづつ出る。ときどき悪寒あり。

切診:沈濇虚遅脈の祖脈を示し、左関上脈は沈を著名に現している。

切経:肝経を触診すると気持ちが良く身体が温まる感じがする。

 


①望診

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まず東洋医学では四診というものを駆使して患者さんの病状を診察していきます。

一つ目に望診ですね。

初めに会った、または一目見たときになんか疲れてるな?覇気がないな?なんかを見ます。

これはその人の元気を見ています。

東洋医学的では神気を見るといいます。

この方の場合は、やつれて青白いので元気もなさそうですね。

また青白いというので体も冷えていると考えられます。

尺膚というのが出てきますが、前腕の掌側面のことです。

ここで体全体の状態を見ます。

体全体の縮図をこの尺膚に映し出すのです。

ここでは痩せてカサカサしているということですので体の何かが不足していることが考えられます。

カサカサしているのは潤いがないのですから、血か津液(体液)が不足しています。

 


②聞診

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暒ぐさい、細い声

聞診と書いていますが、聞くだけじゃなくて鼻で臭いをかぐという診察法も含めて聞診といいます。

暒の字は、生臭いと読みます。

これは肺が弱った時にこういう臭いを発します。

肺は気をつかさどりますから、この臭いがすることで陽気が不足していることが考えられます。

また細い声ということは元気がないことを現しています。

 


③問診

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月水が始まると同時に下腹に鈍痛、腰部に冷える様な重いような鈍い痛みあり、側頭痛、頭重、肩こり、下肢冷えてイライラする、経水は色淡く少ないのといつまでも少しづつ出る。ときどき悪寒あり。

月水というのは生理のことですね。

生理の異常は肝臓の問題です。

肝臓は血をつかさどります。

この血が多いか?少ないか?だけの問題です。

生理前には血液は子宮に集まります。

このときにお血と言って余分な血が下腹部にあると痛みのような異常が起こります。

ですので生理前に異常が起きる場合はお血が関係します。

 

そして生理が始まると子宮に集められた血液が体外に放出されます。

そうするともともと体の中の血液が少ない血虚といわれる状態の人は調子が悪くなります。

 

生理前の異常はお血によるもの、生理が始まってから異常が起こるのは血虚によるものとなります。

この方は生理が始まってから子宮のある下腹に鈍痛が起こるので血虚という状態になっていると考えられます。

 

腰部に冷える様な重いような鈍い痛みあり、側頭痛、頭重、肩こり、下肢冷えてイライラする

腰の痛みは生理と血虚によるもので、さらに冷えがあると考えられます。

下肢も冷えると書いています。

足に冷えがあると上部は熱が停滞します。

普通、人は熱と冷えが交流することにより正常な体を維持しています。

この熱と冷えが交流しなくなり、下肢が冷えると上部に熱が停滞します。

この熱のために側頭痛、頭重、肩こりになります。

またイライラするのは体のエネルギー源である血液が少なくなると思ったことができなくなるのでイライラします。

体力に余裕があればなんでもできるのでイライラしません。

イライラするのはエネルギーがなくなったからです。

 

経水は色淡く少ないのといつまでも少しづつ出る。ときどき悪寒あり。

経水の色が淡いのも量が少ないのも血が少ないためで、悪寒があるのは陽気が少なくなっているためです。

 


④切診

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沈濇虚遅脈の祖脈を示し、左関上脈は沈を著名に現している。

これは東洋医学特有の脈診という診断法です。

沈という脈は、痰飲などの湿によるものか、寒さにより冷えて沈という脈を現します。

ここでは冷えて沈を現しています。

 

濇はしょくと読みます。

気が虚して停滞しているときか、気が虚したために血が流れなくなってお血ができているときに現れます。

問診時に悪寒がありますので、気が虚して停滞している状態を現します。

 

虚はなんらかの理由で血か津液が虚したときに現れます。

この方の場合は、2人目の子供さんの出産のために血が不足したために現したと考えられます。

出産はエネルギーである血を大量に使います。

そのために産後というのは非常に大切です。

産後の肥立ちが悪いというのをよく聞くと思いますが、これは血を消費しすぎたのに産後の養生を行えなかったためだと考えられます。

 

遅はこれも血や津液が虚して冷えているために起こります。

切経での肝経を触診すると気持ちが良く身体が温まる感じがする。というのも肝の経絡が弱り冷えてしまっているためだと考えられます。

 


⑤考察

以上のことからこの方の場合は、出産をした結果、大量の血を消耗してしまった。

さらに一人子供さんがいらっしゃるということで子供さんの世話や旦那さんのご飯などで産後の養生がちゃんと取れなかったことが考えられ、消耗してしまった血を回復できなかった。

血そのものが不足しているので体も冷えてしまい、それぞれの症状を引き起こしてしまったと考えられます。

また側頭痛や頭重というものは冷えのために上に追いやられた熱が停滞したために起こった症状だと考えられます。

 

よって治療は、血を増やすような方法を行います。

肝経の原穴や血の字のついた経穴、肝兪などですね。

漢方薬で言うとこれも血を増やす漢方を持ってきます。

 

普段の養生で言えば子供さんがいるので難しいかもしれませんが、ゆっくり休んでもらうのが一番ですね。

また甘味のものをとって物(血)を増やすことをしないといけません。

さらに酸味のものを食べてもらって肝臓に血を集め子宮やそれぞれの器官が働くようにします。

一応言っておきますが、甘味といっても砂糖じゃないですからね。

調べてくださいね。

 

こんな感じの講義をしましたが、講義では話していないようなことも書いています。

しっかり読んで勉強してくださいね。

東洋医学をしっかり勉強したいなら経絡治療学会徳島部会へご連絡ください。

kougi

また生理痛でお困りなら鳴門市のくろーばーはりきゅう整骨院へご相談ください。

薬に頼らない東洋医学でしっかりと治していきましょう。

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